作品概要

本作は、スマートフォンアプリ連動型のインスタレーション作品である。
スマートフォンのカメラ機能により撮影頻度は増え、フォトアルバムには、人々の日常が凝縮されている。
“みんなのしゃしん”アプリには、スマートフォンを充電するという日常的な行為をきっかけに、フォトアルバムの写真が流出する機能が実装されている。

流出した写真はプリントされて、とある部屋に集められる。
鑑賞者は、天井から降りそそぐ他人の日常を興味深く眺め、ふと、この写真が自分の写真だったらと想像を巡らせる。

自分とは関係ない、と無意識のうちに認識してしまうことで、我々の想像力は失われる。
その結果、見え辛くなった無防備な存在を、身近な事実として捉えることができなくなっている。
まさに現代を象徴するような作品としてご覧頂きたい。

アプリについて

構成説明

"みんなのしゃしん”は、大きく下記の3要素で構成されております。

  1. みんなのしゃしんアプリ
  2. みんなのしゃしんプリンタ
  3. みんなのしゃしんウェブ

"みんなのしゃしんアプリ"はアプリを起動すると端末内に保存されている画像を取得して表示するスライドショーアプリです。
表向きの挙動は上記のシンプルなアプリですが、一度アプリを起動した後は、端末の充電中にユーザに見えない裏側で端末内のカメラロールを監視し、写真データをサーバに送信し続けます。

サーバに集められた写真は、離れた場所にある”みんなのしゃしんプリンタ"によって印刷されていきます。